丸平の乾燥哲学

Drying Philosophy of Maruhei Timber

山の生命エネルギーである木精(こだま)。私たちは木精に感謝しながら、木精をできる限り損なわず、皆様の暮らしへの懸け橋として、製材をしていきたいと思っています。
その時、木材の乾燥が大変重要なポイントとなります。
木の中に残っている水分が多いと、長い年月の中で木は変形します。だから昔の人は、木を十分に天然乾燥させて使ってきました。しかし、天然乾燥には大変な長い時間がかかります。昔の人にとっては当たり前のことだったのですが、近代の私たちの暮らしが変化して、その時間の長さを確保できなくなりました。そこで人工的に、機械で乾燥させることが20年前ごろから一般化してきました。
一般に木に含まれる水分は、「自由水」と「結合水」という2種類に分類されています。自由水は、人間に例えれば汗や涙など自由に出ていく水分。結合水は細胞一つ一つを構成している水分とでも言いましょうか。ですから、自由水は比較的乾燥させやすいと言われています。問題は結合水です。身体の主成分を構成している水分ですから、簡単には抜けません。
木が結合水を保持し続けるのは、山の中で木が生命を全うした後、もしくは何らかの影響で倒れた後、次の生命(自分の子孫や、カビや苔やキノコ類や粘菌などなど)を育むための、次の命を繋ぐ自然の摂理なのだと私たちは考えています。そう考えると、木材の乾燥には、その摂理のサイクルに入れていただく「作法」が必要なのかもしれません。木材乾燥とは、人間が木を使って、その生命エネルギー/木精 をくらしに取り入れて、元気にさせていただく礼儀、作法の一つだと思います。
非常に難しい事ではありますが、命を繋ぐ作法こそが、真の意味での「技術」「技能」であると思います。
丸平木材は、そのことを乾燥に対する中心軸として考えています。

乾燥哲学フッター